13445972_1044451622302136_915135157_o

EOメンバー紹介 バリューマネジメント株式会社代表取締役 他力野淳氏

■大阪城西の丸庭園内にある大阪迎賓館の一般開放は、すべてのテレビ局が取り扱うなど、メディアでも大変な話題となりました。今回は、その運営を手がけるバリューマネジメント株式会社代表取締役の他力野淳さんにお話をお伺いしました。

_______________________________________________________________

 

>まず、大阪城西の丸庭園大阪迎賓館について教えてください。

 

大阪城西の丸庭園大阪迎賓館は、5月13日に予約制レストランとしてオープンいたしました。(http://osakacastle.jp/)

このオープンまでの経緯について、少しお話しします。

まず、人口が減少する日本の中で、多くの史跡については国が税金により維持していますが、民間へ運営委託することにより、税金に頼らない街づくりを目指す動きが活発化しています。とりわけ大阪においては橋下さんの財政健全化の方針と相まり、多くの施設が民間委託の方向となりました。

そうした中、大阪迎賓館は、APEC会合のために建築されたのち、一部のスペースを公園の休憩所として開放する以外には、20年間何も使用されていませんでした。

同時に、大坂冬の陣、夏の陣から400年という記念すべき年周りでもあったことから、大阪城関連の魅力創造施策が進められました。

そうした中、当社ではその指定管理募集においてどういう方向性で募るのかという基本的な活用方針の策定から携わりました。

結果、幸いに当社が支援するグループが受託することが決まったというものです。

当社は大阪迎賓館の運営管理に加え、西の丸庭園の管理スタッフの派遣についても、同時に請け負っています。

13493572_1044453665635265_657659205_o13461059_1044453565635275_224191173_o

 

>ビジネスとしての側面について、教えてください。この物件管理は、運営管理料をもらって運営するのですか?

いえ、そうではなく、当社が賃借料を払って、物件を借り受けるのです。

そして会場運営による収入によって、収益を出すというビジネスモデルです。

2000年までは、自治体が運営管理料を支払うことがよく行われてきたのですが、現在は、税金を使用しない民間委託が主流であり、民間が自治体に賃借料を支払うという形式が増えています。

 

>なるほど、なかなかチャレンジングなビジネスですね。設備投資や修繕などの投資負担どうなっているのですか?

 

いわゆるA工事は自治体、B、C工事は運営受託者になります。一般的なテナント賃貸と同じだと考えてください。

大規模な修繕などは自治体となりますが、史跡であることから、実際はほとんど手をつけられず、また賃貸期間終了時には原状回復が基本となります。さらに言えば、原状回復ないしは寄付です。設備投資をしてテナントとして魅力を高めますが、その投資は最終的には国の資産となります。

今回も、有り難く寄付させていただいております。(笑)

13446294_1044453152301983_676311741_o 13446264_1044453048968660_797086414_o

>バリューマネジメントさんのビジネスモデルを教えていただけますか?

 

施設の再生ビジネスです。とりわけ、史跡や歴史的建造物にフォーカスして展開しています。

 

>なぜそこに目をつけたのですか?

 

まず社会の必要性、言い換えると課題がどこにあるのか?ということを考える中で、歴史を残すという必要性に目をつけました。

人口がこれから減っていく中、おそらく国内の1/3の建物が不要になります。しかし、そうした状況であっても、史跡や歴史的建造物を残すことは重要なことです。

私は長崎県に生まれました。個人的なルーツとして、長崎原爆の日である8月9日に生まれた人間として、歴史、文化を残していくということはとても重要なことだと考えています。文化とは、有形無形を問わず、人々が意志を持って残したいと思い、必要なものが集積され、それが生み出す世界観、価値観のことを指すと考えています。

歴史に残すべき施設や街並みを、「必要性と収益化」という観点で継続可能にし、次世代に残していく事業が必要と考えました。

 

>素晴らしいですね。では今後、御社はどこに向かうのですか?

 

基本的には今の役割を進化させていく考えです。

これまでは施設の再生を通じた町の再生を考えていました。例えば京都の木屋町などはかなり店舗も増え、とても賑わう通りとなりました。

今後は、それぞれの街がどのように生き残っていくかマスタープランを描き、展開してくことが自治体行政としてとても重要なことになってきていますが、そうしたマスタープランの策定に関わり、その戦略や方向性の中で必要なコンテンツを作り、施設を運用することによって、地方創生の実現に貢献したいと思っています。

そういう中で、「マスタープランを創る力」と「運用し形に出来る組織」、両方持つ事が当社の強みだと思っています。

 

>EOはご自身の経営に役立っていますか?

 

めちゃくちゃ役立ってますよ。

EOには2008年に入会しました。ですので、9年目に入りました。

入会当時の売上2億円少しから、昨年48億円ですから、おかげさまで成長させていただきました。企業規模の成長もさることながら、2つ得たのもがありました。

一つは、人的ネットワーク。私は無駄なことをしたくない人間ですから、ビジネスと直結しない活動は一切したくないと考えていました。当時は一匹オオカミ的でした。それが、EOに入り、異業種の人たちと情報交換や勉強の機会を持つことで、様々な観点や、全く違うビジネスモデルを詳細に知れることなど、成長につながりました。

2つ目は、刺激です。自分の常識を変えてくれました。2億の時には10億、10億の時には100億円が一つの山であり、少し遠いものです。しかしEOには同世代で100億円を超えている人たちがたくさんいる。それにより、自分自身の限界や制限を設定しなくなりました。「同じ年代でやっている奴がいるんだから、俺にできないはずがない。」という向上心、刺激になりました。これが、当社の売上高向上の意識面での源泉となったと思います。

13461081_1044454332301865_1391920965_o

ありがとうございました!