【8月度月例会レポート】
8月22日に行われました7期の第2回目の月例会についてレポートいたします。
7月は、7期の総会だったため、ゲスト講師を呼んでの月例会は8月が7期目で初めてでした。その記念すべき第1回の講師は、コシノヒロコ先生です。芦屋奥池にあるコシノヒロコ先生のギャラリー(旧自邸)にて熱い話を聞かせていただきました。このギャラリー(旧自邸)は安藤忠雄先生の設計によるもので、建物や周りの自然からくる空間の圧力の中でのコシノヒロコ先生の話は非常に有意義な時間でした。
○EO OSAKA7期会長 藤田から
安藤忠雄先生のご縁でコシノヒロコ先生をご紹介していただきました。お二人とも関西出身で世界を舞台に大活躍されており、また世界に出てからも関西をこよなく愛しておられます。何歳になってもチャレンジし続けるコシノヒロコ先生からそのパワーと勇気をいただければと思っています。
○コシノヒロコ先生講演
今回、この芦屋の奥池の旧自邸という遠いところまでお越しいただいて話をさせていただくのには意味があります。それは、ホテルで講演してもまったく伝わらないと思っているからです。自分の人生にとって、建築は大きな意味を持っています。安藤忠雄さんに設計していただいたこの山奥の自邸があったからこそ、自分は感性を研ぎ澄まされたと思います。ある人からは、デザイナーなのだから、最先端の都会に住んだ方がいいと言われたこともありますが、自分の原点はこの自然の中にありました。
ファッションデザインの世界では、世界の中で日本は後発の国です。ヨーロッパの真似をしていても世界のトップになれない。日本が世界で勝負するにはどうすればいいかを、深く考えました。
その時、思ったことは日本独自の文化は、自然との共存にあるということです。自然を敬い、自然と共に生きる。これが日本文化の原点です。また、幸いにも幼少期より、祖母に連れられて日本文学をよく見に行っていました。これもあいまって、私は、この自然と共存する自邸にいるからこそ、感性が研ぎ澄まされ、ヒラメク!のです。自然から教わり、生まれてくるのです。この建物は、夏は暑いし、冬は寒いし生活環境としては最悪です。しかし、その究極の状況が私に感性を与えてくれる。中途半端な生活ではダメだと気付きました。
目標や想いも中途半端ではダメです。自分の身の丈以上の目標・努力・理想を掲げる。面白いことに、自分がこうしたいと想い続けると、そうなっていくんです。想い続けて、努力することによって、運がよってきます。
私はやりたいことしかしない。嫌いなことはやらない。だから、60年間もファッション業界の第一線で走り続けることができたと思います。ファッション業界は、年2回のコレクションがあります。常に新しいものを提供し続けないといけない。これを何十年もやり続けるのはどんなに大変か。でも大好きだからできる。
好きなことをやり続ける。挑戦し続ける。希望を持ち続ける。あきらめない。
私は神様から与えられた使命を全うしている。神様からもういいよと言われた時、私は仕事を辞めると思います。それまでは何歳になっても走り続けます。
コシノ先生の「挑戦」し続ける姿勢に対し、非常に大きな刺激をいただけた有意義な月例会となりました。
株式会社創都設計 代表取締役社長 大東 俊也